備忘録として、また他の人の参考のために、「調べる」「調査する」「検査する」「研究する」などを英語で表現するときにおもに使う動詞・名詞と、それらの語源、語の成り立ちの違いなどをまとめておく。
Survey
surveyは語源的に分解するとsur「上から」+vey「見る」の組み合わせとなる。Sur-の語素を持つ英単語は、surround, summit, surplusなど非常に多いが、superの語源と同じく、印欧祖語(Proto-Indo-European, PIE)の*(s)uper-にさかのぼる。一方veyはラテン語video「見る」と同語源で、こちらもprovide, video, vision, supervise, envisage, story, advice, evidence, などなど数多の単語の要素として入っている。Surveyという語は「上から広い場所をざっと調べる」というのに近く、中を詳細に調べるというよりも、「概観する」「広い範囲、大きめのグループを調べる」という傾向が強い。
Inspect/Inspection
Inspectionを英和辞典で引けば、「点検」「検査」などの訳語が載っている。もちろんそれも覚える必要があるが、単語はよく組み合わされる語と一緒に覚えると、意味合い・語感などがとらえやすいことがある。Inspectionの場合は、
- Food inspection 「食品検査」
- Safety inspection 「安全検査」
- Surprise inspection 「抜き打ち検査」
が、inspectionの意味を分かりやすく出しているフレーズだろう。
語源的に見れば、in「中へ」+ spect「観察する」に分解でき、「中をよく見る」から「検査、点検する」という意味になった。Surveyとは対照的に、内部まで詳細に点検する、というニュアンスがある。
Investigate/Investigation
Investigationの場合は、「Police investigation」を覚えるといちばん分かりやすい。語の成り立ち的には、ラテン語のinvestigo「追跡する」の借入で、これはIn「中へ」+vestigo「跡を追う」という構成で、vestigoはvestigium「痕跡」から来ている。この語源からの流れでinvestigateは「跡を追って調べる」という意味があり、この語感が「警察の捜査、取り調べ」につながっていると思われる。
Research
「研究(する)」という意味としておなじみで、「リサーチ」も日本語になっているが、語源をたどると、「Re」は「繰り返し」、searchはPIE *sker- 「回る」からギリシャ語κίρκος (kirkos)「円、輪」、ラテン語circus「円」、circo「歩き回る」、古フランス語cercher「探す」という経路をたどってきた。なのでResearchを語源通りに見るなら、「何度もまわりをぐるぐる回って調べる」ということになる。なんとなくだが、絵を描くときにモチーフの周りをぐるぐるまわって観察したり、頭の中でぐるぐる動かしてみたりするのも「Research」といえるかもしれない。
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